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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

真実

カトリーヌ・ドヌーヴがインタビューに応えているシーンから始まり、ドキュメンタリーなのかと「錯覚」する。しばらくしてドヌーヴは大女優の役なのだと分かる。このメタフィクション的構造に、まず引き込まれる。 劇中劇として、『母の記憶に』というSFを原作とする映画がある。近未来の設定で、母は7年に一度目覚め、娘に会いに来る。つまり、歳をとらない。娘は歳を取るので、やがて母を抜いていく。この娘が老いた時期をドヌーヴ扮する女優が演じている。母親役の女優は、若い。このキャストでそのまま映画化してほしいと思う。 大女優には脚本家になった娘がいて、仲がよくない。脚本家にも女の子がいて、劇中劇の映画での母娘と合わせて、3組の母娘の物語が、からみあいながら進む構成が、見どころ。 フランス映画らしいのは劇中の映画だ。本筋である大女優とその娘の亀裂と対立、そして和解のドラマは日本的。

19/10/8(火)

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