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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

無頼

『黄金を抱いて翔べ』以来8年ぶりの井筒和幸監督の新作だが、これが『ガキ帝国』や『岸和田少年愚連隊』『パッチギ!』の系譜に連なる、やんちゃな井筒映画の集大成というか、『ゴッドファーザー』や『アイリッシュマン』を彷彿とさせる傑作になったことを喜びたい。敗戦直後の混乱期から、オイルショック、バブルの狂騒と崩壊まで、激動の昭和を疾走したアウトローたちの群像劇だ。 主人公、伊藤正治を演じるのは、EXILEの松本利夫。その妻、佳奈役には『純平、考え直せ』の柳ゆり菜。さらに、ラサール石井、小木茂光、升毅、隆大介、三上寛ら曲者実力派や、オーディションで選ばれた400名の俳優たちが画面狭しと躍動する。約2時間半の長篇だが、長さを全く感じさせず、一気呵成に観せる。この“もうひとつの戦後史”は、新型コロナウィルスに揺れる現代への大いなる励ましともいえる。

20/12/7(月)

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