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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

戦後独立プロ映画のあゆみ-力強く PARTII

『にごりえ』8/4〜8/10 ラピュタ阿佐ヶ谷 特集「戦後独立プロ映画のあゆみ―力強くPARTⅡ」(7/28〜9/28)で上映 現在の“溝口・小津・黒澤・成瀬”中心の日本映画史にあって今はほとんど語られなくなったが、今井正は戦後日本映画の最高峰に位置する監督のひとりだ。 50年余の監督生活で48作品を監督し、『また逢う日まで』(1950)『にごりえ』(53)『真昼の暗黒』(56)『米』(57)『キクとイサム』(59)の五本が、キネマ旬報のベスト1作品に選ばれているのがその証左だ。 その中の一本『にごりえ』は、同年公開の小津安二郎監督『東京物語』(第2位)、溝口健二監督『雨月物語』(第3位)を抑えてベスト1に輝いているのだから、当時の今井作品がいかに高く評価されていたかがわかろうというもの。 本作は樋口一葉の短編『十三夜』『大つごもり』『にごりえ』の三編を原作としたオムニバス作品で、もっとも評価が高いのは二話目の『大つごもり』(多分)。養父母に金の無心をされた女中のみね(久我美子)が、思いあぐねた末に主家の小銭箱から黙って二円を持ちだしてしまう。大晦日(大つごもり)、主人夫婦がその中のお金の勘定を始めるシーン、発覚の恐怖に竦む久我美子の表情と今井の演出は、スリルとサスペンスに充ち充ちていて白眉。 本作のもうひとつの見どころは、杉村春子、三津田健、中村伸郎、 芥川比呂志など文学座所属のスターが総出演していること。そのうえ、岸田今日子、小池朝雄、神山繁、加藤武、仲谷昇、北村和夫などがノンクレジットで出演しているのだから、見逃せない。

19/8/1(木)

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