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大島 幸久
演劇ジャーナリスト
『FORTUNE(フォーチュン)』 PARCO PRODUCE 2020
20/1/13(月)~20/2/23(日)
東京芸術劇場 プレイハウス、森ノ宮ピロティホール
ゲーテの代表的な長編戯曲『ファウスト』は人類が誇るべき最高傑作だ。快楽あるいは欲望を体験する代償として自身の生命(魂)を悪魔に投げ出す人間とは? 数多くの演劇作品が取り上げてきた挑戦すべき対象である。 日本初演という『フォーチュン』はその『ファウスト』を現代のロンドンに置き換えたイギリス人劇作家サイモン・スティーヴンスの最新作。演出がショーン・ホームズ、美術・衣装がポール・ウィルス。主なスタッフに海外の才能を集めている。物語の主人公フォーチュンは、自殺した父親のトラウマから逃れられず常に喪失感を抱えている映画監督。その彼にふたりの女性が絡む。出演者が魅力的。森田剛、吉岡里帆、田畑智子、根岸季衣。“日英合作”の化学変化は起きるか。
20/1/6(月)