“怪作”とか“珍品”とかいう言い方をはるかに超えてよくもまあこんな映画が作られ、劇場公開までされてしまうというのは本当に驚き。でも、まあ日本で行われたプレミア上映会は即ソールドアウト、限定配信されたAmazonでは5点満点中4.3点という驚異的なユーザーレビューを叩き出した『アフリカン・カンフー・ナチス』というのがそのとんでもない映画だが、第二次大戦後、実は生き延びていたヒトラーと東條英機が亡命先のガーナで現地の人々を制圧、世界征服のための最強武闘会を開催する－という突拍子もないストーリーを映画化したスタッフとキャストには完全に脱帽だ。このストーリーを考えて、アフリカへ乗り込み、ガーナの伝説的監督ニンジャマンと組んで監督をし、ヒトラーも演じたのは日本在住のドイツ人監督セバスチャン・スタイン。有名カンフー映画へのリスペクトもうまく散りばめられているが、日本語字幕も“関西弁”仕様になっていて、その徹底した遊び心に大笑いさせられた。絶対に話のタネになる。

21/6/10(木)