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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

生誕100年記念 サンティアゴ・アルバレス特集上映

日本では、キューバ映画自体がまだよく知られているとは言えないが、1959年の革命以来、キューバは映画産業を発展させ、ハバナは瞬く間にラテンアメリカ映画の中心地のひとつになった。革命前からアメリカ映画に育てられ、ヨーロッパ映画の教養も持つキューバの映画人は数々の名作を生んだが、ドキュメンタリー界ではあまりにも異色の人物がこの国のリーダーとなった。映画作りの経験もなく、40歳でこの世界に入ったサンティアゴ・アルバレスだ。 そもそも発想が違う。「写真2枚と編集機、そしてちょっと音楽をくれ、君に映画を作ってあげよう」という伝説的な豪語にもある通り、断片的な映像や写真、時には雑誌や本のページなども駆使して、少ない素材を最大限活かしながら強烈なメッセージを送り出す。作品全体を統御するのはしばしば音楽だ。キューバの伝統音楽はもちろん、作曲家レオ・ブローウェルの華麗なメロディ、アメリカから拝借したロックンロールも映画のエネルギーにしてしまう。 そしてアルバレスのチームの得意技は「速さ」。素材が集まったら即座に編集して作品化、それをキューバ国内はおろかラテンアメリカ各国で圧政に苦しむ人々に広めてゆく。名づけて「緊急映画(シネ・ウルヘンテ)」。そんなアルバレスの仕事を日本で初めて本格的に紹介するのがこの企画である。特にベトナム戦争を主題にした『79歳の春』のラスト3分には、ひとりでも多くの方に打ち震えていただきたい。

19/12/10(火)

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