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渡辺 祥子
映画評論家
イン・ザ・ハイツ
21/7/30(金)
TOHOシネマズ日比谷
もとはトニー賞の作品賞を含む4冠受賞作、と言われなければ、わからないほど歌い踊るヒスパニック系の人々に舞台とは異なる路上の熱気があふれているが、そこにはバズビー・バークレイやフレッド・アステアなど、長い歴史のある本場アメリカのミュージカルへの愛着が感じられて嬉しくなる。観ているうちに『ウエスト・サイド物語』でリタ・モレノたちが本格ラテン調で歌い踊った『アメリカ』のナンバーを思い出し、そう言えばスピルバーグのリメイク版ではどうなっているのだろう、などと考えた。ハイツの路上で踊られるダンスや歌には移民の若者たちの不満や心の傷が率直に吐き出され、そのパワーに圧倒されながらミュージカルの持つ力の強さを実感させられる。
21/7/22(木)