2015年10月にルーマニアの首都ブカレストにあるクラブで公演中に火災が発生し、200名以上の死傷者を出す大惨事が起こった。ところが、当初の死者は27名だったが、病院に運ばれた負傷者が次々と亡くなってしまう。その事実に不審を抱いたスポーツ紙の編集長たちが事件の調査を始めると、製薬会社、病院経営者、政府関係者の黒い癒着というスキャンダルに行き着く。そんな事件の真相を追うジャーナリストたちの姿を描いたドキュメンタリーだ。利権絡みの政治的な癒着は多くの国に見られるが、その事実と真相を明らかにするジャーナリズムの使命は、国家のあり方において大きく異なる。かつての社会主義国ルーマニアのジャーナリストたちの姿は、ジャーナリズムとは何かを改めて問いかけてくる。

21/9/24(金)