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古今東西、興味のおもむくままに

藤原えりみ

美術ジャーナリスト

特別展「きもの KIMONO」

かつて国立歴史民俗博物館で「男も女も装身具」という展覧会(2002年)が開催されたことがあったが、今回の「きもの」展を見て、つくづく「日本人って男も女も着道楽!」と実感。「装身具」展は江戸時代から明治時代に焦点を当てているが、こちらは鎌倉時代の宮廷装束からYOSHIKIMONOまで700年以上にわたる変遷を取り上げている。小袖や打掛、帯などの実物だけでなく、「誰が袖図屏風」や「遊楽図」などの絵画、浮世絵、簪(かんざし)や笄(こうがい)、帯留めなどの装身具までを含む充実した展示で、豪華フルコース料理を30コースほど食べたような気分になること必須。 気の遠くなるような細かい鹿の子絞りに、金糸銀糸を用いた手の込んだ刺繍や、華やかな友禅染めが施された着物、秀吉や信長の陣羽織や家康の胴服など、どれを取っても斬新なデザインで、目がくらむほど豪華絢爛。 江戸時代の奢侈禁止令により表地は一見地味に見えても、裏地や襦袢、下着には凝った絵柄や鮮やかな色が使われるなど、庶民と幕府のいたちごっこも面白い。とにかく「行けども行けどもキラキラしい着物のオンパレード」、そして明治から昭和を経て、最後はシャープなセンスが光るYOSHIKIデザインの今風着物ドレス。 1時間ではとても見切れないので時間の余裕を持って出かけたい。誘惑の多いミュージアムショップにもぜひお立ち寄りを。

20/7/5(日)

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