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山内宏泰
ライター
生誕260年記念企画 特別展『北斎づくし』
21/7/22(木)~21/9/19(日)
東京ミッドタウン・ホール
20歳で浮世絵師としてデビュー以来70年、森羅万象を描きに描いて死の直前まで研鑽を続けた稀代の絵師。それが葛飾北斎だった。江戸の、いや日本の、それどころか古今東西を代表するこの表現者の業績を、巨大な会場でたっぷり観られるのが今展。『北斎漫画』『冨嶽三十六景』『富嶽百景』の全点が見られるようになっており、さすがの見応え。『北斎漫画』はもともと冊子のかたちになっているものだし、『冨嶽三十六景』も浮世絵だから、作品サイズとしてはどれもあまり大きくない。展覧会としてはそれらをどう見せるかがポイントだっただろうけれど、さまざまなかたちの作品ケースを用いたり、展示室を円形にしたりとあれこれ工夫が施され、できるかぎり観やすい構成にしてあるのは好感。
21/7/30(金)