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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
ANNA/アナ
20/6/5(金)
TOHOシネマズ 日比谷
あんたも好きねぇ……というのが、観終えて最初に浮かんだ言葉だ。 『NIKITA/ニキータ』から30年、リュック・ベッソン監督が非情な組織によって凄腕の暗殺者に仕立てあげられた美女が主役のアクション映画を撮った。今回の舞台はまさにそのニキータ公開の1990年で、ヒロインが所属するのはソ連のKGB。スパイ映画としてのスリリングさも加わるため、とにかく先の展開が全く読めなくてハラハラドキドキのしっ放しだ。 上司を演じるのがヘレン・ミレン。非情さの中に人間臭さも時おり見え隠れしてまたイイ。 時系列が目まぐるしく入れかわる構成により、「えっ?」「はっ?」というサプライズと「ほー」という納得とがタイミングよく訪れ、全く飽きない。
20/6/3(水)