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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

特別展 海を渡った古伊万里 〜ウィーン、ロースドルフ城の悲劇〜

1階では古伊万里が展示されている。なんだ、器の展覧会かと思って2階に上ると、部分的に欠けていたり、割れた状態の磁器が並んでいる。これらはウィーン近郊のロースドルフ城に保管されていた古伊万里や景徳鎮のコレクションで、第2次大戦直後に旧ソ連兵によって破壊された残骸を、日本の「古伊万里再生プロジェクト」により修復したもの。修復といっても、欠損部を補って完璧に再現したものから、欠損部はそのまま残して組み立てた「組み上げ修復」までさまざまある。会場の一角では器の破片が散乱する状態をインスタレーションとして見せていた。美術品の破壊行為には心を揺さぶられるが、無数の破片を組み立てていく気の遠くなるような修復行為にも、逆の意味で心を揺さぶられる。

20/12/25(金)

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