Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

NO MUSEUM, NO LIFE.

鈴木 芳雄

編集者/美術ジャーナリスト

神の左手 悪魔の右手

近頃、コレクターやギャラリストの間で評判の高い若き画家と彫刻家の2人展が神宮前のEUKARYOTEで開催されている。展示はオウィディウスの『変身物語』を形にしているのかと勝手に合点したがどうだろう。画家、東慎也は薄塗りやときには塗り残したカンヴァスの一部に絵具を厚くのせ、優れた色彩感覚で構成される画面の中に、筆のストロークの速さや遅さ、絵具のテクスチャーのヴァリエーションで、こちらの視線を移動させ、遊ばせてくれる。たとえば、松明の火だけ絵具が盛り上がっていて、まず目が行く。それを持つ人物、そうか、プロメテウスか。一方、立体作品の作家の米村優人。粘土、石、鉄、FRPなど様々な素材を使い、ギリシャ神話の神々、ミケランジェロが象ったイエス・キリスト、さらには幼少期から自らが親しんだ特撮・変身ヒーローを盛り込み、その場を圧倒する作品を作り上げた。この2人の作家の組み合わせが秀逸である。

20/7/29(水)

アプリで読む