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2次元、3次元、2.5次元 それぞれに魅力がある
能一 ナオ
次元を行き交うエンタメ系ライター
『錆色のアーマ』-繋ぐ-
19/6/6(木)~19/6/16(日)
天王洲 銀河劇場
2.5次元舞台界を牽引するネルケプランニングが手がける、舞台発の逆2.5次元プロジェクト『錆色のアーマ』。漫画・アニメ・ゲームなどを原作とした“2.5次元舞台”の流れを遡り、先に舞台版が生まれ、そこからメディアミックス展開を狙った“逆2.5次元”プロジェクトだ。 2017年に初演舞台が上演され、コミカライズもスタートし、2019年6月に第2弾となる新作公演が開幕する。 最近では俳優としても活躍するEXILEのパフォーマー・佐藤大樹と、声優としても人気の増田俊樹のW主演。戦乱の世の日本を舞台に、佐藤大樹が鉄砲傭兵集団・雑賀衆の孫一を、増田俊樹が天魔王・織田信長を演じる。演出は、先日上演された『僕のヒーローアカデミア The "Ultra" Stage』も大成功を収めた元吉庸泰が担当。 初演は、殺陣とダンスに加えて歌唱シーンも豊富なミュージカル作品となっており、普段パフォーマーの佐藤は、この舞台で初めて人前で歌う経験をしたというが、バラードも見事に歌いこなし、ダンスでだけでなく、歌でも孫一の繊細な感情を表現してみせた。 一方の増田は、彼の演じるキャラクターでは珍しい低音ボイスの演技を披露。伸びやかな歌声、舞うように鮮やかな殺陣も見事で、信長という圧倒的なオーラを放つ存在を体現していた。 魅力的なキャラクターにストーリー展開はもちろん、耳に残る楽曲も素晴らしく、さらに注目は効果音を舞台上で生演奏でつけていたこと。演技だけでなく、臨場感溢れる空気を生み出す演出に惹き込まれる作品だった。丘山晴己や玉城裕規など今回も実力派のキャストを揃え、一体どんな演出になっているのか、とても楽しみだ。
19/6/1(土)