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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

『23階の笑い』

三谷幸喜さんが、こよなく敬愛する喜劇王ニール・サイモンの戯曲の演出に再び着手。思いの熱さゆえに生半可には手を出せない、手を出すからには世に知れた代表作はちょっと横に置いといて、ツウ好みの隠れた名作に挑みたい。そんなわけで2013年の『ロスト・イン・ヨンカーズ』以来、二度目の演出作に迎えたのがこの『23階の笑い』。サイモンが自身の放送作家としての経験をベースに書いたと言われる、テレビ番組を作る人々の物語です。50年代アメリカのテレビ業界を舞台に、登場するのは人気コメディアンと、彼の冠番組を構成する個性バラバラの放送作家たち。“笑いのネタ”をしこたま頭にストックしている人たちの会話ゆえ、そのシャープな切り口とスピードは圧巻の面白さ。当然ながら当時のアメリカの時事問題を扱った言葉も飛び交うわけで、日本人に理解できるかな〜と思う御仁もいらっしゃるでしょうが、そこは三谷さんの上演台本なので心配ご無用。演じる役者さんの個性と相まって、クセ者揃いのキャラクターたちが舞台上にリアルに息づくことでしょう。コメディアンを演じる小手伸也さんを中心に、瀬戸康史さん、松岡茉優さん、吉原光夫さん、鈴木浩介さん、梶原善さん、青木さやかさん、山崎一さん、浅野和之さんのオールスターズ結集。波乱の2020年の笑い納めにぜひ。

20/12/2(水)

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