カラー・シネマスコープの横長大画面に映し出される田園風景はまるで絵画のような美しさ。 2010年に『神々と男たち』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、2014年の『チャップリンからの贈りもの』では洒落たコメディでクスッとさせてくれたフランス人監督グザヴィエ・ボーヴォワがジャン＝リュック・ゴダールやジャック・リヴェット、レオス・カラックスといった巨匠たちとの仕事で知られる女性撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエとタッグを組んで作った『田園の守り人たち』。 ストーリー展開も俳優たちの演技も含めて、21世紀になってから余り観ることができなくなったクラシックな映画と言える。今年の1月に死去した名作曲家ミシェル・ルグランの音楽の美しさも感動的で、第一次大戦下のフランスの農園でくりひろげられる女たちの物語を深みのあるものにしている。

19/7/2(火)