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水先案内人のおすすめ

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高橋 諭治

映画ライター

スウィート・シング

1980年代末から1990年代半ばにかけて、『父の恋人』『イン・ザ・スープ』『サムバディ・トゥ・ラブ』という愛すべき良作を放ったアレクサンダー・ロックウェル。このアメリカン・インディーズの雄は、代表作がことごとくDVD化されていないこともあって、日本ではすっかり“忘れ去られた”存在になっていた。 実に25年ぶりの日本公開作となる本作は、自らの娘ラナと息子ニコを主演に据え、私財も投じて撮り上げた家族ドラマ。『地獄の逃避行』から『トゥルー・ロマンス』へと受け継がれてきたカール・オルフの名曲「Gassenhauer」が使われていることからも、これは自由を追い求める少年少女の“アウトロー映画”でもある。 残酷な現実から逃れ、あてどない旅に出る15歳と11歳の姉弟。その姿を活写したスーパー16ミリのモノクロ映像(一部カラー)が素晴らしい。詩的な美しさ、夢のようなはかなさがきらめく映像世界は、おそらくロックウェル自身にとっても会心の出来ばえだろう。

21/11/2(火)

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