最愛の妻を不慮の事故で亡くした外科医のユハ（ペッカ・ストラング）。それ以来、茫然自失の毎日を送っていた彼は10年後、ふと迷い込んだSMクラブで、首を絞められ意識を失った瞬間だけ、妻と再会できると言う設定が興味深い。SM業界には疎く、もっぱら映画を通じてでしか知りませんが、この『ブレスレス』を観ると日本もフィンランドもプレイの内容はさほど変わらないような。 半歩ずらせばロマンポルノ。1歩ずらせばコメディにもなりかねない物語ですが、そこは回想部分も含めて。しっかり北欧アートしているので、カンヌ国際映画祭監督週間でも上映され、数々の映画祭に参加したのも納得。何よりSM嬢モナ役のクリスタ・コンネンは『ブレードランナー2049』(17) でも印象的でしたが、彼女の迫真の演技に牽引（けんいん）されて、その果てに待っていた修羅場が見もの。

20/12/10(木)