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水先案内人のおすすめ

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平辻 哲也

1968年生まれ 映画ジャーナリスト

ミドリムシの夢

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」発のインディーズ映画の劇場公開が続々と決まっている。短編部門グランプリの『歩けない僕らは』(11月23日公開)、『サクリファイス』は第32回東京国際映画祭・日本スプラッシュ部門に出品され、来年公開も決まった。 本作はフェスティバルムービーとは一線を画すインディーズ発のエンタテインメント。主人公は駐車禁止の監視員。緑色の蛍光ベストを着ていることから、ミドリムシと揶揄される。『カメラを止めるな!』ではなく、「クルマを止めるな!」というわけ。職務を真面目にまっとうするマコト(富士たくや)と、いい加減なオッサン、シゲ(ほりかわひろき)。日頃、「税金泥棒!」となじられる凸凹コンビがある時、深夜勤務となり、思いがけない騒動に巻き込まれていく……。 職業モノは面白い。どんな仕事でも人知れずの苦労がある。そして、誰もがささやかな夢を持っている。笑って、笑って、最後はうかつにも(?)、ちょっと感動(笑)してしまう。そんな一夜の物語。「アメリカン・グラフィティ」ならぬ「駐禁監視員グラフティ」だ。 脚本は舞台で活躍し、佐藤二朗監督『はるヲうるひと』(来年公開)にも出演する太田善也(よしなり)氏。監督は演出家・蜷川幸雄氏の元で修行を積み、文化庁「若手映画作家育成プロジェクト」に選出、俳優としても活動している真田幹也氏。自身が駐禁を犯して、痛い目にあったことから、思いついたとか。何が幸いするかは分からない。今後の活躍にも注目だ。

19/11/14(木)

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