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オペラと古楽をとりわけ愛するコンサートソムリエ。司会や執筆で活動中。
朝岡 聡
アナウンサー
藤原歌劇団『フィガロの結婚』
21/1/8(金)~21/1/9(土)
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
『フィガロの結婚』のオペラとしての面白さは、ソロもさることながら声のアンサンブルに魅力的な音楽や場面が多いこと。そしてもうひとつ、レチタティーヴォの役割が大きいという点だろう。 セリフのように歌うレチタティーヴォは、会話で筋が進展し、物語が動いていく部分。ここで歌手は役者としての才覚を求められる。 今回の藤原歌劇団の公演は、イタリア人演出家マルコ・ガンディーニを再招聘して、徹底的にイタリア語によるレチタティーヴォにこだわっての上演と聞く。 言葉を最大限生かし、「役者」としてのオペラ歌手を追究するのが今度の舞台の目的のひとつ。そんな観点から鑑賞すれば、超有名オペラから、また新たな魅力が見つかるはずだ。
20/12/31(木)