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古今東西、興味のおもむくままに

藤原えりみ

美術ジャーナリスト

マン・レイと女性たち

これまで国内で開催されたマン・レイ展をいくつか見てきたが、ほとんどがマン・レイの写真に焦点を当てたものだった。展覧会タイトルから今回もマン・レイが撮影した女性たちを中心とする写真展なのだろうと思って足を運んだのだが、「いや〜こんなマン・レイ展、見たことなかった!」と良い意味で予想を裏切られた展覧会だ。彼が写真家としてではなく画家として評価して欲しいと願っていたことや日用品によるアッサンブラージュのオブジェは知ってはいたけれど、油彩画やドローイング、ブロンズ立体作品や家具、詩人とのコラボ詩画集、アクセサリーデザイン等々、当時の人々の理解を超える領域横断の縦横無尽な活動に触れたのは初めてだった。 マン・レイにポートレート写真を撮らせたココ・シャネルのドレスやエルザ・スキャパレッリの帽子、さまざまなデザイナーによる香水瓶など、1920年代に自由を謳歌した文化都市パリの華やかさと豊かさを伝える立体的な展示構成が実に楽しい。もちろん軸となるのは最初の妻で詩人のアドン・ラクロワからパリ移住後の愛人キキ・ド・モンパルナス、助手にして愛人のリー・ミラー、リーと別れた後に出会ったアディ・フィドラン、そしてハリウッドで知り合った最後の伴侶ジュリエット・ブラウナーなのだが、興味深いのは彼女たちを含めマン・レイが交流したのは自らの道を切り開く意志を備えた自立した女性たちであったこと。しかも、戦争ゆえに別れざるを得なかったアディと最後の妻を除けば、振られるのは常にマン・レイ(涙)。ううむ。監修者の巖谷國士氏いわく「社会を変えていくのは女性たち。それは今も昔も変わらない。社会を変えていきたいと思う女性に見て欲しい!」。監修者の熱い思いに応えるべく、世の女性たちよ(いや男性たちも)、いざBunkamura ザ・ミュージアムへ!

21/8/8(日)

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