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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

生誕90年記念 昭和の怪優 小沢昭一のすゝめ

『「経営学入門」より ネオン太平記』9/21〜27 神保町シアター 特集「生誕90年記念 昭和の怪優 小沢昭一のすゝめ」(9/7〜10/4)で上映。 市川安紀さんの傑作インタビュー集『加藤武 芝居語り』で、こんなエピソードが紹介されている。 「2012年の初夏、ラピュタ阿佐ヶ谷の西村晃特集のチラシを見て『ネオン太平記』が上映されることを知った加藤武は、“そっか、これも晃ちゃん出てたんだっけ? じゃあオススメだ。ハハハ。俺のオカマは見たくないけどさ”、と素っ頓狂な大声をあげて驚いた」。 本作は今村昌平が関わった映画としての作品的評価はイマイチ(『競輪上人行状記』と比べると)だが、風俗映画としてはたいへん面白く、見どころ満載の珍品。 原作はアルサロ(アルバイトサロンの略。アルバイトの主婦・学生などがホステスをしているキャバレーを称した語―コトバンク)の発案者で、織田作之助の一番弟子を自称していたという磯田敏夫の『企業防衛』。脚本は今村昌平と監督の磯見忠彦。 昭和20年代に大流行したというその “アルサロ” を舞台に、女と男の欲望、エロ、バイタリティを、コテッコテッに煮詰めた大阪型人間喜劇。 とにかく出演者の顔ぶれが凄い。今村映画ではお馴染み、小沢昭一、西村晃、北村和夫、加藤武らの他に、桂米朝(後の人間国宝がこんな痴態を演じていたなんて!)、小松左京、野坂昭如、三國連太郎、渥美清(オネエ艶技が濃すぎる)等など。 映画の出来としてはともかく、この豪華な顔触れの珍芸奇芸を見られるだけで嬉しくなる。

19/9/19(木)

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