Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

国立劇場 2月文楽公演

文楽三味線弾きの鶴澤清治が文化功労者に選定され、その顕彰記念と銘打った公演が行われる。鶴澤清治は当代を代表する文楽の三味線弾きであり、古典はもちろん新作も手掛け、また後進の育成にも熱心だ。四代目鶴澤清六、十代目竹澤弥七といった名人のもとで修行をし、若くして四代目竹本越路太夫に請われ、15年間越路太夫を弾いたことでも知られる。 清治自身、「自分の三味線は攻撃的」とよく語る。「三味線は太夫や人形の“伴奏”ではない」とも。ノリ間、撥さばき、切っ先の鋭さが持ち味だ。ドライブ感、グルーブ感、そしてエッジの効いた三味線が何ともカッコいい! 物語をドラマチックに盛り上げ、太夫の語りも締めるべきところでギュッと締める。 今回弾くのは『伽羅先代萩』の「御殿の段」だ。歌舞伎でも人気演目である。仙台伊達家で起こった御家騒動を題材にした作品。御家乗っ取りをたくらむ奸臣たちが若君の命を狙う。その若君を命かけて守る乳母・政岡。そのために実子・千松の命が脅かされることに。 文楽というとついつい人形に目が行きがちだが、華やかで格調高いこの段の三味線に耳を傾け、ドラマチックな一幕を楽しんでいただきたい。

21/1/30(土)

アプリで読む