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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

神と共に 第一章:罪と罰

「人生の道半ばで私は正しい道を踏み迷い、はたと気づくと暗黒の森の中だった。」 ダンテの『神曲』の冒頭だが、第一章となる本作はまさに韓国版『神曲』だ。 人は死ぬと49日間で「殺人」「怠惰」「嘘」「不正」「背徳」「暴力」「天倫」という7つの地獄で裁判を受け、全てを無罪で通過したものだけが生まれ変わることができる──。この仏教に基づいた壮大なファンタジードラマは韓国の人気webコミックの実写映画化作品。 『神曲』でダンテは古代ローマの詩人に導かれて地獄を巡るが、本作はひとりの消防士が3人の使者に導かれて地獄を巡る。 最新の映像技術で描かれる地獄はもとより、それぞれの地獄に導かれる死者を演じたチャ・テヒョンは、もちろん“いい人”が板についているが、特にハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギが務める3人の使者は全員キャラが立って素晴らしく、キャスティングもその世界観をさらに深めることに成功している。第一章でもなんとなくそう感じてもらえるとは思うが、趣の変わる第二章まで観れば、私の言わんとすることに“心底激しく同意”してもらえることと思う。 さて仏教に「神」という概念はもともとない。にも関わらず『神と共に』と名付けられたその「神」が、果たして何を指すのかというのも大変興味深いテーマである。

19/5/23(木)

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