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東条 碩夫
音楽評論家
読売日本交響楽団 土曜・日曜マチネーシリーズ
20/9/12(土)~20/9/13(日)
東京芸術劇場 コンサートホール
読響の「指揮者/クリエイティヴ・パートナー」に先ごろ就任した若手の鈴木優人が、ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」と「田園交響曲」を指揮する。都内の複数の楽団といろいろ意欲的な企画を予定しながら、コロナ禍のため演奏会が軒並み中止に追い込まれてしまい、大編成オーケストラを指揮しての本領を示す機会がなかなか得られなかった鈴木優人だが、今度こそベートーヴェンのスタンダードな名曲で、しかも腕達者の読響と組んで、その良さを発揮してくれるだろう。 協奏曲でのソリストは、当初予定されたロザンネ・フィリッペンスに替り、わが国の若手、郷古廉が務めることになったが、むしろ幸いだったかもしれない。彼の強靭な、確固とした信念に満ちたソロによるベートーヴェンが聴けるからだ。
20/9/5(土)