昨年初冬に落語映画特集が六本木で好評開催されたばかりですが、今度は浪曲映画特集が渋谷で。「風景に節(フシ)が流れると、情景になる」もうこの一行にヤラレました。戦後、ラジオの普及もあって、みなが風呂で唸り情に溺れ涙した浪曲という名の大衆娯楽。外国から入ってきたインテリ好みの自我という概念もなんのその、人と人の出会いと別れを三味線の節にのせ、会話と唸りで見せる浪曲という名のひとりミュージカル、初見の方はこの機会にぜひどうぞ。映画と対談と古典新作入り乱れ、面白くて為になる過去現在未来へめくるめく浪曲遊園地。一声二節三啖呵(ひとこえにふしさんたんか)と言われる所以が少しでもわかれば幸いです。

19/5/17(金)