Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

ブータン 山の教室

ブータンの首都ティンプーに暮らす若い教師が僻地の学校に赴任し、大切なことに気づく。よくある話だと思うかもしれないが、違う。物語はフィクションだが、主人公の心に静かな革命を起こすものは、すべて本物だ。 標高4800メートルの地にある村ルナナ。撮影場所は電気も通っておらず、険しい山々を登ってようやくたどりつくような場所。クルーは、太陽電池を馬で運ぶなど数か月前から準備を重ねた上で撮影を敢行したというが、そうするだけの価値があったことは見ればわかる。自然と大地とともにある暮らし、文化、そして、人の姿のなんと圧倒的なことだろう。中でも、生徒として登場する村の子供たちの輝く目は、まるで宝石のようだ。 現実の中に飛び込んで、そこにいる人々と共に物語を作り上げる。昨今は、そんなやり方で作られた映画が世界各地から生まれきて、強い光を放っている。近年のペドロ・コスタ作品は言うに及ばず、福永壮志の『アイヌモシリ』も、クロエ・ジャオの『ノマドランド』もしかり。現実と切り結び、その未来を探る作品が「国民総幸福」を国是として掲げるブータンからも登場したのが、興味深いところでもある。

21/4/3(土)

アプリで読む