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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン
大島 幸久
演劇ジャーナリスト
前進座『鼠小僧次郎吉』
19/9/30(月)~19/10/27(日)
武蔵野市民文化会館 大ホール,新国立劇場 中劇場 ほか
義賊のスターと言えば鼠小僧もそのひとり。劇団前進座が真山青果・作の斬新な『鼠小僧次郎吉』を上演するのだから、是非お手並み拝見といこう。この盗人が盗んだ金は10年間で839回、3000両余りだという。両国の回向院に眠る墓には合格祈願の受験生が数多くお参りに訪れるそうだ。長年捕まらなかった強運にあやかるためらしいから愉快だ。 新歌舞伎の巨匠・真山青果の作を劇団では1960(昭和35)年に上演している。ユニークなのは二人鼠小僧。次郎吉と音次が出てくる。中嶋宏太郎が演じる次郎吉は大名や金持ちから盗み、早瀬栄之丞の音次はせっかく貯めた200両を簡単に盗まれる。装置も立ち回りも見物の時代劇タッチらしい。ベテラン山崎辰三郎の目明かしに期待!
19/10/17(木)