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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

パンケーキを毒見する

冒頭、スタッフが菅義偉首相に近い議員たちに取材を申し込むが、ことごとく断られる様子が描かれる。みな、恐れているのだ。インタビューに応じて、「菅首相はすばらしい」と言えばいいのに、こういう映画に出ること自体が、自民党内ではタブーとなっている様子が分かる。 そんなわけで、取材に応じて「菅義偉」という政治家について語る現役の政治家は、石破茂、江田憲司、村上誠一郎という、菅首相と距離を置いている政治家たちになる。だが彼らも正面からの批判はしない。一方、元朝日新聞記者が、菅義偉がいかにすごい政治家であるかを嬉しそうに語る。 政治家、ジャーナリスト、学者たちによる菅政治の解説はわかりやすい。アニメーションを駆使したシニカルな部分もある。 だが、もどかしい。迫れていない。このもどかしさが、「菅義偉」という政治家の本質なのかもしれない。迫ったところで、何もないのだ。空虚なのだ。 菅義偉は政治信念もないし、合理的思考もできない。その政治行動の基本には、「イチかバチかの賭け」がある。立候補するときも、梶山静六を総裁選に担ぎ出すときも、戦略も勝算もなしに、勝負に出る人なのだ、という分析が印象に残る。 とんでもない人を総理にしてしまったのかもしれない。 本来なら、こういうのこそNHK特集でやってほしい。

21/7/27(火)

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