Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

《吉開菜央特集:Dancing Films/Aプログラム》

吉開菜央特集『Dancing Films 情動をおどる』12/12〜25 ユーロスペースで上映。 2019年カンヌ国際映画祭、監督週間に出品されて話題になった、振付家・ダンサー・映画作家の吉開菜央作品は、噂のみ聞いていたが、今回ようやく初めて観ることができた。何だか60年代半ばの実験映画の黄金時代を彷彿とさせる作品群で、観ていてワクワクさせられる。中でも、カンヌ出品作『Grand Bouquet (グラン・ブーケ) 』(19) は、えたいの知れぬ“黒い塊”を前に、言葉を出せずにいる女性が、その代わりに次々と色鮮やかな花々を口から吐き出す。その映像の素晴らしさに圧倒される。座敷わらしのような女性たちが奇妙な踊りを繰り広げる『ほったまるびより』(15) も、異色ドキュメント『静坐社』(17) も、その奔放なイメージの連鎖に魅せられてしまう。中短篇6本を一挙に観ることができる今回の特集上映で、ぜひこの異能作家の出現を見届けてほしい。

20/12/9(水)

アプリで読む