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笠井 信輔
1963年生まれ フリーアナウンサー
海辺の映画館-キネマの玉手箱
20/7/31(金)
TOHOシネマズ シャンテ
強い感銘を受けた。 どのシーンを見ても優しい大林宣彦監督の声が聞こえてくるようだ。この作品が生涯最後の1本になると覚悟を決めてメガホンを取り続けたのではないだろうか。 海辺の映画館にやってきた3人の若者が、いつの間にか映画の中に取り込まれていく。彼らが体験するのは明治維新から日本人が体験してきた数々の戦争。晩年、アグレッシブな編集によって圧倒的な映画を作ってきた大林監督は、今回も教科書では教えない本当の戦争の厳しさとは何かを伝える。年齢を感じさせないその自由な映像構成、リフレインと挿入の魔術師といった大林監督の輝きはいっそう増している。その興奮を是非。ストーリーはわかりやすく、とにかくたくさんの若い人に見てもらいたい。
20/7/29(水)