Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』【配信あり】

原作はデビッド・カリ作、松尾スズキさんが初めて翻訳を手掛けた絵本です。それをノゾエ征爾さんが翻案、脚色し、2016年に自ら演出して初演の幕を開け、話題となりました。微笑ましい絵本の世界をイメージさせる可愛らしいタイトルですが、その中身はとても深い、見る人の思考のトンネルをグングン掘り起こしていく刺激的なもの。戦場の塹壕にひとり取り残され、“見えない敵”に対して妄想を膨らませ、疑心暗鬼に苛まれる兵士の物語が二人芝居で展開します。それぞれが相手の気配を感じながら、恐怖し、殺意を抱き、はたまた謎の連帯感を抱いたり…。見えない敵に対する不安や恐怖や孤独…、コロナ禍の今を生きる私たちもまた然りで、彼らの心の揺れに激しく同調しそうな予感大。今回の再演ではキャストを一新、『豊饒の海』(2018年)、『ピサロ』(今年3月)と共演が続いた宮沢氷魚さんと大鶴佐助さんの同い年コンビ(筆者は勝手に“色白コンビ”と命名)が、ノゾエ演出のもと、三度目にしてがっつりタッグを組んで挑みます。PARCO劇場オープニング・シリーズの舞台だけど、劇場は東京芸術劇場プレイハウスなのでお間違いなく。プレイハウスで二人芝居って大挑戦ですね!

20/9/13(日)

アプリで読む