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水先案内人のおすすめ

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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。

春日 太一

映画史・時代劇研究家

マーティン・エデン

あれ、これはいつ撮られた作品だったか……? 観終えて、まず確認したのはそのことだった。 かつてのイタリアが舞台なのだが、それを映し出す映像までもが1970年代頃のイタリア映画そのものなのだ。 例えば初期ベルトルッチのような、淡くザラついた、独特のあのタッチ。娯楽映画でも芸術映画でも、全てが儚い、残酷な美しさに満ちていた……そんな、かつての時代のイタリア映画にしか見えないのだ。 映像だけではなく、出演者たちの演技もどこか「あの頃」の匂いが放たれている。みんな芝居の品が良く、重厚。 そして内容も。 描かれるのは、南部の労働者階級の貧困問題。厳しい現実に直面しながらも、小説家を目指す男の姿が綴られる。この貧しさの描写も70年代的な生々しさがあった。 昨今の慌ただしい映画に疲れた方にオススメ。

20/9/20(日)

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