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話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

テリー・ギリアム監督が長年、実現を試みては頓挫してきた作品がいよいよ公開に。期待と不安の間で揺れている人もいるだろうが、大丈夫。ドン・キホーテ役のジョナサン・プライスが、アダム・ドライバー演じるトビーをサンチョ・パンサと思い込んで暴走し始めた瞬間から、全てはいきいき動き出す。 原作のキホーテは物語のせいで正気を失ったが、本作で人々の運命を狂わせるのはかつてトビーが監督した映画。老人は夢から抜け出せなくなり、トビーは罪悪感を抱く。「映画は全て自伝的であるべき」というギリアムは、さて、キホーテか、サンチョか。答えは終幕に。映像はむろん魅惑的。頓挫の記録『ロスト・イン・ラ・マンチャ』でも印象的だった巨人たちのイメージには、じーん。

20/1/22(水)

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