山口美央子は80年代初頭にデビューして、“シンセの歌姫”として異彩を放った。『夢飛行』、『NIRVANA』、『月姫』の3枚のアルバムを残し、その後は作曲家として活動を続けていたが、今年、実に35年ぶりとなるオリジナル・アルバム『トキサカシマ』をリリースして、改めてそのユニークな存在感に注目が集まっている。 特に澁澤龍彦ばりのデカダンスやエキゾティシズムを漂わせた傑作『月姫』は評価が高く、表舞台からは退いた後もマニアックなファンから愛されていた。それを証明するように、一昨年、前3作がCD化されて再発されると、海外を含む多くのファンが飛びついた。再発は、YMOのマニピュレーターの松武秀樹のレーベ...

19/3/23(土)