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水先案内人のおすすめ

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話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

ある画家の数奇な運命

主人公のモデルである、ドイツ現代美術界の巨匠、ゲルハルト・リヒターの絵をじっくり観たことがあってもなくても、この映画を観る前に、是非、向き合っておいてほしい。たぶん、もう2度と、この映画のストーリーを重ねずに観ることはできなくなるから。 芸術への道へと導いてくれた叔母、その命を奪ったナチスの蛮行、東独の全体主義。体制に荷担した義父の存在……。監督のドナースマルクは、芸術家の前半生と作品、ドイツの歴史、そしてうまい役者たちをぴっちりとより合わせて、忘れがたいドラマを作り上げてしまった。リヒターが出した条件は、何が真実か、映画の中で絶対に明かさないことだったという。映画の後は、リヒター作品に潜む真実に目を凝らしたくなるはずだ。

20/10/2(金)

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