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水先案内人のおすすめ

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白坂 由里

アートライター

しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像  1970年代から現在へ

東西冷戦下、限られた機材や技術でも実験的な映像表現にトライしていた1970年代のパイオニア世代から、デジタルメディアを利用してアクションを起こす1990年代以降の新世代まで、ポーランドの女性作家の歩みを紹介する展覧会。作家自身が男性ボクサーとリングの中で闘い続けるズザンナ・ヤニンの《闘い》をはじめ、人や社会との関係性のなかで自由を希求する作品が強い印象を残す。 とりわけ胸に残るのは、認知症で徘徊する亡き母を演じたヨアンナ・ライコフスカの《バシャ》。(囚人服を連想する)縦縞のパジャマ姿で川を渡るシーンには、流浪の不安も感じられるが、束の間解放感のある孤独にも見え、街なかですれ違った女性に助けられて警察に取り囲まれるシーンの方が恐怖にも思えた。介護の難しさも感じつつ、再び施設から脱走する姿に少し安堵も覚える。 英語タイトルの「Her Own Way」の方が展覧会に合っているかも。さまざまな立場になり変わって見られるのが映像の利点だとも思う。

19/9/5(木)

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