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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

7月歌舞伎鑑賞教室『菅原伝授手習鑑 ― 車引 ― 』『棒しばり』

6、7月の国立劇場は、授業の一環でやってくる中・高校生だけでなく、歌舞伎ファンにもうれしい狂言建てや顔ぶれが楽しめる期間。注目の役者たちが古典の大役に初めて挑戦したり、また「え! この役者がこの役を!」という配役や、「ほお! この顔合わせでこの演目」と意外な顔ぶれとなることがままあるからだ。 今月は『車引』と『棒しばり』。『車引』は『菅原伝授手習鑑』の三段目にあたる、実に歌舞伎の荒事美に溢れた演目だ。三つ子の兄弟が豪快に喧嘩するという、非常にシンプルなストーリー。松王丸に尾上松緑、梅王丸に坂東亀蔵、桜丸に坂東新悟が初挑戦。また藤原時平に中村松江という配役も珍しい。杉王丸には中村玉太郎と尾上左近が、いずれも初役で日替りでつとめる。 『棒しばり』は狂言を題材とした歌舞伎舞踊。両手を縛られた次郎冠者と太郎冠者が機知を働かせ、酒を飲み、浮かれて踊るというユーモラスで分かりやすい一作。こちらは松緑と亀蔵がコンビを組む。 いまだ勘三郎と三津五郎の名コンビの『棒しばり』が目に焼き付いている歌舞伎ファンも多いはず。心から楽しげに、軽やかに、イキぴったりの雰囲気とともに、ふだんからの二人の信頼関係まで伝わってくる名品だった。今回のこのふたりも、2018年4月の歌舞伎座で『弥生の花浅草祭』という長編の歌舞伎舞踊をエネルギッシュに踊りきったのは記憶に新しい。新時代の名コンビの誕生となるかもしれない!?

19/6/28(金)

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