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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

電線絵画展-小林清親から山口晃まで-

パリやロンドンに比べて、日本の都市風景は美しくなく、絵になりにくいと思っていた。それは歴史を感じさせる石造建築が少ないこと、グランドデザインに欠けていることのほかに、電信柱があるからではないか。さすがに都心では見かけなくなったが、郊外に行くと電柱や電線、高圧線などがうるさく感じられ、絵にしたいとは思わないのだ。この展覧会はそんな先入観を覆し、電線を描いた絵ばかりを集めた画期的なもの。明治初期の小林清親による浮世絵から、高橋由一、岸田劉生、「電線風景」画家の朝井閑右衛門まで、あるわあるわ。山口晃などは「電柱でござる!」という漫画を描いているくらいだ。電線は邪魔ものどころか、案外日本の近代風景画を特徴づける最重要アイテムだったのかもしれない。

21/4/2(金)

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