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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

プロミシング・ヤング・ウーマン

これはセンセーショナル! 男性には悩ましいテーマであり、女性にはよくぞ代弁してくれたと称賛の作品であり、とにかく脚本の素晴らしさとキャリー・マリガンの狂人的な演技に唸ってしまうのです。 酔って意識が朦朧とした女性と関係を持つことは罪なのか? 日本でもさまざまな議論が飛び交っていますが、この映画の題材は、“レイプ”という犯罪にメスを入れつつ、「同意のない性行為は犯罪だ」と伝えながら、復讐者も犯罪者であるという現実をしっかり見据えていることからアカデミー賞脚本賞に輝いているのです。 キャリー・マリガン演じるある出来事で大学生だったあの頃から時間が止まってしまった29歳の主人公のファッションやメイクは、年齢とのギャップを感じずにはいられない不釣り合いな雰囲気を醸し出し、カラフルなネイルから精神的なバランスが崩れていそうにも感じられる。 そんな細やかな表現にさすが女性監督!と思ってしまうし、そこはエメラルド・フェネル監督が、日々、女優という仕事を通して感情と向き合っているからなのかもしれない。絶対に潰してはいけない才能の監督が誕生。これぞ、全世界の社会問題と繋がった映画のカタチな気がしました。

21/6/26(土)

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