世界最古の宝石のひとつである真珠と、それらを使用した豪華な装身具を紹介。地下1階の第一会場では、1-3世紀にシリアで使用されていた真珠付きの耳飾りから、20世紀初頭に流行ったアール・ヌーヴォーのペンダントネックレスまでを幅広く展示。「シードパール」という爪の先ほどの微細な真珠を使った装身具や、真珠のティアラなど様々な真珠装飾が楽しめる。さらに私が面白く思ったのは２階の第二会場。こちらは日本の真珠を紹介するコーナーで、その大半が世界で初めて真珠の養殖に成功したミキモトの作品を紹介。帯留などヨーロッパの伝統にはない装身具を、日本古来の意匠を参照しながら、どこまでも繊細で優美に作るその美意識の高さには脱帽する。日本人は明治時代から、こんなに瀟洒な現代と遜色ない真珠の装身具を作っていたのか、と改めて感動するとともに、そのストイックな職人技には、日本の金工の伝統がぎっしり詰まっているのだろうと想像した。

20/7/10(金)