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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

生誕100年記念 映画監督 野村芳太郎

『白昼堂々』8/3〜8/9 神保町シアター 特集「生誕100年記念映画監督野村芳太郎」(7/6〜8/9)で上映 結城昌治の同名クライム小説の映画化作品。筑豊の廃坑で、失業した坑夫とその家族たちの生活のためにスリの組合を率いている親分ワタ勝(渥美清)が主人公の、“万引き家族”ならぬ“万引き組合”映画。 翌1969年の『男はつらいよ』で兄妹を演じた渥美と倍賞千恵子、本作での彼女は一流の腕を持つ女スリで、渥美に迫られたりするシーンにはドキリとさせられる。 ワタ勝と、元一流のスリの親分だったが今は更生してデパートの保安員をしている銀三(藤岡琢也)らが結託して挑む大仕事。その前に有島一郎扮する定年間近の人情刑事が立ちふさがるという物語。 作風はコミカルだが、石炭産業の衰退で底辺に押し込められた炭鉱と、発展著しい大都市の姿を対照的に描いている点が、野村作品らしい。実際にロケした炭鉱の居住地がリアルで、1968年当時の日本の風景が貴重な映像資料映画だと思う。

19/7/31(水)

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