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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

サウラ家の人々

スペインの映画監督カルロス・サウラは、わが国ではフラメンコ映画で知られているが、実を言うと彼の作品で面白いのは『狩り』から始まる1960年代から70年代の作品だ。いわゆるフランコ独裁政権の下でいかに検閲を逃れ、社会状況や批判を象徴的に描き出すか。そんな技ありの作品が80年代に入ると明るい世界に変貌していくわけだが、本作製作時に85歳のサウラ監督がそれまで4人の女性と結婚して7人も子供がいることは知らなかった。そんな子供たちとサウラ監督が対話しながら、監督作品や家族について語ったドキュメンタリーだ。父子の対話で映画製作の秘密を聞き出そうとするが、サウラ監督自身が過去を振り返ることが嫌いなため、なかなか思うように話が進まないところが何とも微笑ましい。

20/11/17(火)

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