『WAVOC presents 災害ボランティア支援 ゴスペラーズ アカペラコンサート』は、今回で9回目を数える。主催している“WAVOC”は、「早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター」の略称。東日本大震災の起こった2011年にスタートしたこのボランティア・ライブの第1回は、早稲田大学の大隅記念講堂で開催された。　 ご存知のようにゴスペラーズは早稲田のアカペラサークル出身で、これまでも母校と繋がるイベントに多く参加してきた。中でもこのアカペラコンサートは、彼らの人間性と社会性が表れていて、すがすがしい気持ちになる。 電力の節約が叫ばれたあの夏を覚えているだろうか。そんな中、ゴスペラーズは電力がなくても成立する“アカペラ”という手法で、やさしい癒しと鋭いメッセージを明らかにしたのだった。実際、ゴスペラーズのアカペラは天下一品だ。そのストロング・ポイントをこうした形で活かす、彼らのアーティスト・スピリットには感服する。なので、素直にアカペラの素晴らしさを味わうのが、このライブの趣旨にもクオリティにも合っている。 ゲストのトライトーンは、ゴスペラーズの盟友と言える男女混成のアカペラ・グループで、このライブに毎回参加している。友情とミュージシャンシップが強く結びついたこのライブの収益は、全額、“WAVOC”に寄附される。このハーモニーを心ゆくまで楽しみたい。

19/8/22(木)