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Tak

美術ブロガー

千葉市美術館拡張リニューアルオープン・開館25周年記念 宮島達男 クロニクル 1995−2020

千葉市美術館も開館し四半世紀を迎えました。区庁舎に間借りしていた美術館も独立し所蔵作品を展示できるようフロアを拡張、ワークショップや講演会も開催可能な新たなスペースも併設され更に展示もパワーアップしました。そんな千葉市美術館で現在開催されているのが、LED(発光ダイオード)のデジタル・カウンターを使用した作品で世界中に広くしられる宮島達夫の大回顧展です。これまで首都圏で過去に2回開催された「宮島達男展」の中でも最も充実した内容となっています。 宮島氏は2000年頃まで、LED(発光ダイオード)のデジタル・カウンターを用いて、「死」を表象することによって「生」を喚起する作品を制作してきました。現在もその作品は作り続けられていますが、NYの同時多発テロや東日本大震災という未曽有の災害を経ることで、平和への願いや祈りが強く感じられる作品が多くなっていきました。森美術館「STARS展」に出ている《「時の海—東北」プロジェクト(2020 東京)》は、まさしくそうした願いや想いが込められた作品です。恩師である榎倉康二への追悼の想いを込め制作された千葉市美術館所蔵の「地の天」も久々に出ており、森美術館のそれと比較するのも一興です。 展覧会は制作年代順にただ展示するのではなく宮島氏が提唱してきた3つのコンセプトに基づいた展示となっています。LED作品を主軸に、パフォーマンス映像、ドローイング、プロジェクトなど個展ならではの幅広い作品に出逢えます。「メガデス」の頃は、人の死が前面に出ていて少々引き気味でしたが、作家自身もデジタル数字のように絶え間なく変化し続け、今は丁度いい塩梅になっているように思えた今回の回顧展。現代アートの展覧会には珍しく、幅広い年齢層の方に受け入れられる内容となっています。

20/10/11(日)

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