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浦島茂世

美術ライター

【閉幕】フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる -リース・ミューズ7番地、アトリエからの ドローイング、ドキュメント―

強烈に歪んだ身体や表情を持つ人物画で知られる20世紀を代表する画家、フランシス・ベーコン。彼は死の直前、彼の身の回りの世話をしていた隣人バリー・ジュールに数千点ものドキュメントを託していた。その中身はベーコンがコツコツと作り上げていたセルフ・イメージと相反するものも多く、公表されたときは多くの議論が巻き起こったという。 この展覧会は、そんなバリー・ジュールのコレクション約130点で構成される展覧会。生前、描かないと公言していたドローイングや、写真や複製画に直接描きこまれていたイメージもまた、彼の作品のように不穏な雰囲気に満ちたもの。ゴッホもベーコンの手にかかると、こんな雰囲気になるのか! リチャード・アヴェドンからもらった写真集にも落書きしちゃうのか! とおもしろい発見も。松濤美術館の重厚な雰囲気と調和して、心地よい重たさと疲労を感じることができて大満足。

21/4/23(金)

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