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水先案内人のおすすめ

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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

ある画家の数奇な運命

現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルにしているが、彼を知らなくても、大丈夫だ。人間ドラマ、社会派歴史ドラマとして、堪能した。 主人公の画家になる青年よりも、その妻の父である、セバスチャン・コッホ演じる医師が強烈な印象を残す。映画を観ていて、本気で「この男、殺してやりたい」と思うのは、久しぶりだった。無表情でありながら、その内面を垣間見せる演技は見事。 ナチス時代を描く映画は、いまも毎年何本も作られているが、この映画もそのひとつ。ナチスが虐殺したのはユダヤ人だけではなく、ドイツ人でも障がい者が犠牲になっている。精神に異常があると診断され犠牲になった女性を通して、ナチスの非道を描く前半3分の1は、映像が美しいために、辛すぎる。 ナチス時代を肌で知る者はすくなくなってきたし、東ドイツ時代も30年も前のことだ。そして、1960年代の前衛アートもいまや歴史。この3つの時代・世界が、精緻な時代考証で再現されている。3つのパートそれぞれだけで一本の映画になる濃密さ。 美しいカップルの、ちょっと哀しい恋愛映画でもある。

20/10/1(木)

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