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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
衝動―世界で唯一のダンサオーラ
20/3/13(金)
東劇
カルロス・サウラ監督の『フラメンコ・フラメンコ』という映画がある。当代のフラメンコ・ダンサーの名手が生命の旅路を舞踊で表現するフラメンコ映画。そこに出演していた当時26歳のダンサー、ロシオ・モリーナの踊りを描いたドキュメンタリーだ。フラメンコ・ダンサーとしては体格的に恵まれていないにもかかわらず、フラメンコにコンテンポラリー・ダンスを加えて伝統的な舞踊を進化させたことから、26歳の時に「スペイン国家舞踊賞」を受賞。そんな彼女の創作現場を追いながら、パリのシャイヨー国立舞踊劇場における上演までを描いている。伝統的なフラメンコとモダンダンスを融合させながら、衝動から生まれる身体の即興的な動きを踊りに昇華させる彼女のダンス芸術は何とも刺激的である。
20/3/10(火)