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水先案内人のおすすめ

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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち

ミシェル・ルグランがこの世を去って、もう一年が経ってしまったのか! 映画音楽の作曲家数あれど、ルグランほど、華麗なメロディーを主張しつつ、それが映画の画面を塗りつぶすのではなく、映画そのものと肩を組んで高みに登りつめるような音楽を作った人はいない。 この特集では、世界映画史でもっとも幸せな<監督=音楽>のコンビとなった盟友ジャック・ドゥミの作品が4本、すべて極めつけの代表作だ。ルグラン本人も出演するアニエス・ヴァルダの『5時から7時までのクレオ』、そしてゴダール作品が2本だが、とりわけアメリカ映画への愛に満ちたミュージカル・コメディ『女は女である』は必聴必見。 ドゥミとルグランは、セリフがすべて歌になるという画期的な『シェルブールの雨傘』を作った時、この新しい趣向を“en-chanté”(アンシャンテ)という造語で呼んだという。あえて訳せば「歌われて」の意味だが、もともとハイフンを抜けば「魅了されて」という語と同じだ。7本とも、何度リバイバルを繰り返しても変わることのない、魅了の体験になるだろう。

20/2/19(水)

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