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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

『外地の三人姉妹』

多田淳之介さん(演出)とソン・ギウンさん(翻案・脚本)。この日韓クリエイターコンビが生んだ傑作といえば『가모메 カルメギ』ですね。チェーホフの『かもめ』を原作に、舞台を日本統治下の朝鮮に置き換え、それぞれの国の人々、その思惑が交錯する人間模様を鮮やかに描き出して高い評価を獲得しました。初演の舞台をソウルまで観に行ったのは2013年のこと。斬新な美術、突如K-POPが流れ出す疾走感あふれる舞台に、ソウルの若い観客たちが歓声をあげて引き込まれていたことを思い出します。多田さんはこの作品で、韓国の権威ある演劇賞、東亜演劇賞の演出賞を外国人演出家として初めて受賞。その後、2014年、2018年にはKAAT神奈川芸術劇場でも上演されて、日本の観客からも大きな反響を得ていました。そのコンビが再びチェーホフに着手! 今回は『三人姉妹』が原作で、舞台となるのはやはり1930年代の朝鮮北部、日本軍が駐屯している都市だとか。ここに出てくる三人姉妹は亡くなった将校の娘たち。思い焦がれるのはモスクワではなく、いつか故郷の東京に帰ること……。大胆不敵なチェーホフ進化系が今回も十分期待できるはず。相手を知り、自分を知る。日韓の俳優たちによる意義深いコラボレーションをぜひ体感してください。

20/12/8(火)

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